お疲れ様です、謙虚らいおんです。
今年2023年6月14日、自衛隊の歴史に残る大事件が発生致しました。
現職の自衛官(正確には「自衛官候補生」)による銃乱射事件です。
少し前にも記事にしましたが、「安倍晋三元首相銃撃事件」「長野県の立てこもり事件」にて日本の安全神話は崩壊しつつあるようなことを書かせていただきましたが・・・
今回の事件で決定的なものになりました。
我が日本の安全神話は完全に崩壊しました。
不安を煽るつもりはさらさらありませんが、間違いないでしょう。
そこで今回は元自衛官で実弾射撃を何度もさせてもらってきた私が、自衛隊における射撃訓練の状況と今回の事件について、話してもいい範囲で皆様にお届けしたいと思います。
それではどうぞ。
事件があった場所。
事件があったのは岐阜県にあります、日野基本射撃場です。
※管轄は愛知県にあります「守山駐屯地」です。
私は現職の時はありませんが、退職後の予備自衛官の時1度だけ行ったことがあります。
この射撃場ができたのは比較的最近で、テレビでの報道を見て既にご存じの方も多いかと思いますが、閑静な住宅街にポツンとある・・・そんな射撃場です。
自衛官以外では地元住民でなければ射撃場の存在にも気がつかない人がほとんどかと思います。
そんな場所で今回の事件は起こりました。
犯人について。
この春高校を卒業して、自衛隊に入隊したばかりの18歳の少年です。
事件後、犯人の人物像があれこれ浮き彫りになってきましたね。
「お調子者」「やや素行不良」「逆ギレ気質がある」といったやや危険人物だそうですね。
このような報道があると当たり前ですが世間の反応は

何でそんな奴を自衛官として採用するんだ💢。

自衛隊の採用基準はどうなっているの?
ちゃんとしてよ💢。
という当然のご指摘をいただきそうですが、ここにはちょっとした大人の事情があるのです。
結論から申し上げますと、今回事件を起こしたような(素行に問題がある)人間でも採用しなければならない状況下にあるのです。
理由は簡単、人が集まらないからです。
※もちろん「採用基準に満たない者」は不採用ですよ。
この辺はしっかりとしておりますので、ご安心ください。
これは自衛隊に限らず、警察・消防も同じ状況にあるようです。
過去に自衛隊にまつわる話でも触れましたが、自衛隊って本当に人が集まらないんですよ。(マジで)
昨年2022年に「子どもに就いてほしくない職業ランキング」では堂々の第3位にランクインしているのが何よりの証拠でしょう。
だから採用基準もこんなこと言ってはいけませんが、ユルユルなんですよ。
一昔前なら絶対採用されないであろう人物でも採用され、自衛官として勤務できる・・・。
これってなんでもないように見えたり聞こえたりするかもしれませんが、とんでもなく恐ろしい事なんですよね。
なぜなら銃を取り扱う仕事(訓練)をするのですから。
結果論で話しているんじゃないですよ。
ちゃんと明確な理由があります。(それについては後ほど)
ですが、今回の事件を受け、採用基準をより厳格化されるでしょう。
でなければ困ります。
いじめ・パワハラはあったのか?
このような事件が起こった以上、都合の悪いことを隠すのは卑怯ですし、隠したところでスグにばれますのでこの場を借りてハッキリ言います・・・。
(いじめ・パワハラは)あったでしょう。
自衛隊の名誉を損なう発言ですが、(いじめ・パワハラが)無いわけない。
むしろ(いじめやパワハラが)無いほうがおかしいです。
それが自衛隊ですから。
あらかじめ言っておきますが、いじめ・パワハラを肯定するつもりはありません。
いじめ・パワハラをする奴は人間の屑・ゴミと私は思っておりますので。
・・・ですがそれもこれも含めて(私は)自衛隊だと思っております。
だから自衛隊という組織が成り立っていると私は思っております。
安全管理はずさん・いい加減だったのか?
当然と言えば当然なのですが・・・
このような声が多く聞こえてきます。
この件につきましてハッキリ、そして正直にお答え致します。
安全管理はずさん・いい加減だったのか・・・・?
お答えします。
そんなことはありません。
安全管理は徹底しております。
今回のような新人自衛官の射撃訓練に限らず、実弾射撃を実施する場合には安全管理は厳重かつ徹底されております。
安全係・通信係・実弾(弾薬)係・・・
などなど、しっかりと人員配置をします。
しかし、完璧ではなかった。
言い方を変えれば「穴があった」と言うべきでしょうか。
この言い方は適切ではありませんが、他に言いようが無いのでそのまま言わせていただきます。
まさか同じ自衛官に(銃で)撃たれるなんて思いますか?
私は思いません、思いもしません。
そういうことです。
申し訳ない、語彙力がなくてこのような言い方しかできません。
いつでも銃を撃てる状況下にあったのか?
先ほどの「安全管理はずさん・いい加減だったのか?」に矛盾してしまうかもしれない内容(発言)になってしまうかもしれませんが・・・
「あるタイミング」からは悪意があれば「いつでも」銃を自分の判断で撃てる状況にあるのです。
今改めてその状況を思い返してみるとメチャクチャ恐ろしいですし、怖いです。
「あるタイミング」というのは
弾薬受領後、弾倉に実弾をこめた後です。
この瞬間から、悪意があればいつでも銃を撃てる状況になります。
銃を触ったことが無い一般人ならともかく、毎日のように訓練で銃を触っている自衛官ならば造作もありません。
こんなこと言ってはいけませんが、現職を退いて10年以上経つ私でも余裕で出来ますから。
そう考えると本当に恐ろしいです。
この後は諸事情により、詳しくは言えません。
申し訳ありませんが、ご察し下さい。
過去にも銃乱射事件はありました。
先ほども話題に挙げました「採用基準を下げてでも人を集めなければならない状況は問題である」と言いました。
その理由をここでお話し致します。
それは見出しでもありますように、今回の事件だけでなく自衛隊では過去にも銃の乱射事件を起こしているのです。
もう既に知っている方も多いでしょうが、今から約40年前の1984年に山口駐屯地に所属していた2等陸士の隊員が自動小銃を乱射した事件があるのです。
この事件により、4名の自衛官が死傷しております。
で、この事件を起こした隊員はというと・・・
「犯行当時、心神喪失の状態にあった」として不起訴処分となっております。
「ふざけるな!💢。」
レベルの内容ですからね。
人が集まらず、採用担当をしている広報の方たちの苦労は分かります。
ですが今回のような事件が起こってしまった以上、採用基準はより厳しくしてほしいと私が言っているのも理解していただきたいです。
今後の自衛隊の射撃訓練はどうなるのか?
今回の銃乱射事件を受け、全自衛隊における射撃訓練等「火薬」を使う訓練は中止になりました。
現職の自衛官でこれですから、私のような予備自衛官ともなるともっと厳しくなるでしょう。
なぜなら(こんな言い方よくありませんが)所詮予備自衛官ですから。
もっと言えば予備自衛官っていてもいなくても正直良い存在ですからね。
現職だけでは災害派遣時に人手不足で追いつかない場合を想定した、文字通り「予備」の人員なんですから。
そんな人員に「今回のような事件が起こるかもしれないリスクを冒してまで実弾射撃をさせるか?」と聞かれれば、
「うーーーーーーーーーーーーーーーん・・・・💦」ってなるでしょう。
なるはずです。
私が自衛隊のトップならば少なくとも数年間は予備自衛官には実弾射撃はさせません。
排除できるリスクは全て排除する。
それが「自衛隊」という「組織」の在り方だと私は思いますが、皆さんはいかがですか?
ご意見お待ちしております。
まとめ
お疲れさまでした、いかがでしたか?
記事冒頭でも言いましたが、今回の事件は確実に自衛隊の歴史に汚点として残ります。
永久に
これにより自衛隊による信用は地に落ちたでしょう。
こういった事件・不祥事があると新人自衛官時代の班長の言葉が毎回蘇ります。
「1人のバカが、(自衛官)全員に迷惑かけるんじゃ💢。」
今回の事件はその最たるものでしょう。
現に事件があった日野基本射撃場を管理していた守山駐屯地では、営内者の外出を控えるように隊員たちに指示があったそうですからね。(「禁止」ではなく「自粛」のようです)
※守山駐屯地は第10師団の師団司令部がある駐屯地ですから、より厳しいのです。
最後にいつもの通り、ありきたりなことを言って終わらせていただこうかと思います。
今回自衛官(候補生)が銃乱射にて人を殺めるという最悪な事件を起こしてしまいましたが・・・
全ての自衛官がこのような愚かな行為をする人間だと思わないでください。
すでに自衛隊を離れてしまった自分にはこれくらいしか言えません。
お願いします。
今回はここまでです。
また次回お会いしましょう。